お花と病院

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従来、入院されている方へのお見舞いの定番といえば、“お花”でした。ところが、最近は感染症のリスクを避けるためという理由で、一部の病院で見舞い用の生花持ち込みを制限する動きがあります。
しかしながら、日本感染症学会からは「免疫不全がなければ花瓶の水や鉢植え植物は感染源とはなりません。」 と見解が出ており、農林水産省のホームページでも、そのことが情報発信されています。
そこで、私たち花き業界関係者が中心となり、感染症リスクに対する正しい認識を周知することで、 “お花”が今まで通り、お見舞いの定番として受け入れていただくための活動を続けています。

Q) お花の持ち込みを禁止している病院はどれくらいある?

A) (一社)日本花き卸売市場協会と花き卸会社(株)「なにわ花いちば」(大阪市鶴見区)とが、全国主要7都市の卸売市場の協力を得て2014年に実施した調査では377病院から回答があり、以下の結果となっています。全面禁止が26%、一部禁止が35%、持ち込み可が39%。地域別では、全面禁止は大阪(44%)、名古屋(39%)、 札幌(32%)、東京(21%) の順。福岡と広島は、一部禁止 が約4割あるものの、 全面禁止は福岡(3%)、 広島(4%)と他の地域に 比べて低い。
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Q) 持ち込みが禁止になったきっかけは?

A) 2002年に大阪府内の病院で、院内の花瓶を調べたところ、緑膿菌などが検出され、その病院では花の持ち込みを禁止しました。そういったことが2005年に新聞でも取り上げられ、その後、他の病院でも生花の持込み禁止の波紋が広がりました。

Q) 持ち込み禁止の理由は?

A) 土壌や水など自然環境中に存在する常在菌の一種である緑膿菌が、花瓶の水を通じて広がり、院内感染の原因になるリスクを回避するためというのが、主な理由です。

Q) 専門家の見解は?

A)

<日本感染症学会>

「免疫不全がなければ花瓶の水や鉢植え植物は感染源とはなりません。移植患者や重症エイズ患者の病棟以外であれば制限は不要です」  
* ホームページの“院内感染Q&A”にて、 「病院への花や観葉植物の持ち込みに関する質問」に対する回答 [※1]

<神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長 岩田健太郎教授>

「花瓶の中に緑膿菌がいても、それが肺に入らないかぎりは肺炎の原因にはならない。(中略) 緑膿菌は花瓶から飛び出して患者の口に入るわけではない。理論的に花瓶の水や花が患者に感染症を起こす可能性は極めて低く、また実際にそのような報告はない。」
* 2014年8月20日付けのブログ 「医療機関は患者への花を断ってはいけない」 より引用[※2]
以上の内容に関連して、2015年2月25日開催の『「お花と病院」に関するセミナー』(主催:(一社)日本花き卸売市場協会、(株)なにわ花いちば)にて、岩田教授の講演があり、その内容はYoutubeにて公開 [※3]

Q) 農林水産省、厚生労働省の見解は?

A)

<農林水産省>

ホームページの “組織・政策 > ・・・ > 花き振興コーナー” において、 「花きの人を癒す効用が発揮できる施設での活用等について」の「4.病院内での生花の扱いについて」 にて日本感染症学会の見解を引用[※4]

<厚生労働省>

「現行の法令において、医療機関に生花の持ち込みを制限されるようなものはもちろんなく、厚生労働省から生花の持ち込みを制限するような働き掛けを行っていることもない。  (中略) 院内感染については、日本感染症学会のQ&Aによると、移植患者や重症のエイズ患者の病棟以外であれば持ち込みを制限することは不要であるとなっており、一般の病棟で一律に制限をする必要はないことが示されているところ。生花の持ち込みについては、個々の医療機関が、これらの専門家の意見を踏まえつつ判断いただくべきものと考えているところ。」

* 2015年3月27日「地方創世特別委員会」での質疑における、公明党の濱村議員からの質問に対する、二川医政局長の答弁(抜粋) [※5]


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【集計結果と考察】

病院内で現在も経営している花屋は1.4%と非常に少ないことが明らかになった。
「病院内で経営ができなくなった理由」では、売上げの低迷(43.8%)と病院からの通達(31.3%)とを合わせ、70%以上となっている。そういった現状を踏まえ、対策を講じれば、今後の消費拡大に期待できるのではないかと考えられる。
病院へ生花の持ち込み可能か否かに関しては地域性が反映されている。九州地方では持ち込みが可能という回答が多く寄せられ、関西地区での持ち込み禁止や販売禁止が多い現状とは対照的である。


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LinkIcon※1日本感染症学会 病院への花や観葉植物の持ち込みに関する質問
LinkIcon※2岩田健太郎教授 医療機関は患者への花を断ってはいけない - ブログ(楽園はこちら側)
LinkIcon※3岩田健太郎教授 「お花と病院」に関するセミナー - YouTube
LinkIcon※4農林水産省 花き振興コーナー
LinkIcon※5厚生労働省 国会映像 地方創生特別委員会 - YouTube
LinkIcon※6日本農業新聞に市場協会が行ったアンケート記事
LinkIcon※7朝日新聞 病院と生花・市場協会のアンケート記事
LinkIcon※8産経新聞 病院と生花・市場協会のアンケート記事
LinkIcon※9日経トレンディネット 「お見舞いギフト」市場で病院の生花についての記事

病院へのお見舞いに関する花のセミナー開催

2015年2月25日(水)に花博記念公園鶴見緑地内の花博記念ホールにて神戸大学感染治療学分野教授である岩田健太郎先生をお招きして、病院へのお見舞いの花に関してセミナーを開催いたしました。


講演テーマ : 「お花と病院」
講演日時  : 2015年2月25日(水)14:00-16:00
公演場所  : 花博記念公園鶴見緑地 花博記念ホール


地方創生特別委員会でお花と病院の話題が取り上げられた

2015年3月27日(金)地方創生特別委員会で公明党の濱村議員よりお花と病院に関する話題が取り上げられました。




<関連LINK>
LinkIcon株式会社なにわ花いちば公式facebookページ